光触媒によりSARS-CoV-2が不活化! -暗所でも効果を確認-

キャンディルは、大和ハウス工業、奈良県立医科大学、MBTコンソーシアムとの
4社共同研究の結果、光触媒(アパタイト被覆二酸化チタン)による
SARS-CoV-2に対する不活化※1効果が確認できました。

※1:不活化とは、ウイルスの細胞感染力を失わせることをいいます。

光触媒で効果があることが判明!

キャンディルグループの扱う光触媒コーティング(以下エアリフレッシュ)が持つ抗ウイルス抗菌効果により、
SARS-CoV-2(2019-nCoV JPN/TY/WK-521 株)が不活化されたことが
「奈良県立医科大学微生物感染症学講座(教授:矢野寿一、准教授:中野竜一)」によって確認されました。
奈良県立医科大学の研究成果発表はこちら

尚、本試験で使用した光触媒(エアリフレッシュ:アパタイト被覆二酸化チタン)は、SARS-CoV-2に接触させることにより不活化することが判明しましたが、本試験では、空間に浮遊するウイルスへの効果、人体への影響については検証を行っておりませんので、誤解のなきようお願い致します。

試験方法

光触媒加工したガラス板にSARS-CoV-2を接種し、6時間まで静かな環境で置いた状態を観察しました。


※奈良県立医科大学での検証の様子

試験品*$ 光照射条件# 作⽤時間
0 h 1 h 2 h 4 h 6 h
ブランク 500 lx
光触媒加⼯ (光照射保管) * 500 lx
光触媒加⼯ (暗所保管) $ 500 lx
ブランク 0 lx
光触媒加⼯ (光照射保管) * 0 lx
光触媒加⼯ (暗所保管) $ 0 lx
* :
光照射保管は、試験直前までブラックライトに24時間照射してから使⽤した
$ :
暗所保管は、試験開始24時間前までにブラックライトに24時間照射し、試験開始まで暗所に保管した
○:
測定26ポイントx実施3回
# :
500lx は、UVカットフィルター N-169(380nm 以下の波⻑をカット)を使⽤した

試験結果

500lx(限りなく屋内に近い光量)で効果あり!

500lx(限りなく屋内に近い光量)で
効果あり!

※JIS規格試験は1,000lx

光照射条件500lxでは、光照射保管および暗所保管したエアリフレッシュ加⼯とも、
時間経過とともに感染価が減少し、
1時間で90%以上、4時間で99%以上の減少率を⽰しました。
さらに6時間作⽤させると、99.806%の感染価※2の減少を⽰しました。
※2 細胞感染性を有するウイルス粒子の数のこと

エアリフレッシュ加⼯(光照射保管) 500 lx におけるウイルスの不活化効果
0 時間 1 時間 2 時間 4 時間 6 時間
不活化効果(Mv) - 1.15 1.22 2.03 2.71
減少率(%) - 92.991% 93.915% 99.068% 99.806%

減少率(%)は⼩数点第4位以下切り捨て

エアリフレッシュ加⼯(暗所保管) 0 lx におけるウイルスの不活化効果
0 時間 1 時間 2 時間 4 時間 6 時間
不活化効果(Mv) - 1.05 1.18 2.07 2.71
減少率(%) - 91.111% 93.386% 99.150% 99.806%

減少率(%)は⼩数点第4位以下切り捨て

・ウイルス活性値の測定例

・光照射条件500lxにおけるウイルス感染価の推移

さらに暗所でも不活化の効果が!

暗所条件 0 lxにおいても、
光照射保管および暗所保管したエアリフレッシュ加⼯とも、時間経過とともに感染価が減少し、
1時間で90%以上、2時間で99%以上の減少率を⽰しました。

6時間の作⽤では、光照射保管のエアリフレッシュ加⼯で99.559%
暗所保管のエアリフレッシュ加⼯で99.438%の減少率を⽰しました。
暗所性能は今後、メカニズムを研究していきます。

エアリフレッシュ加⼯(光照射保管) 500 lx におけるウイルスの不活化効果
0 時間 1 時間 2 時間 4 時間 6 時間
不活化効果(Mv) - 1.22 2.06 2.24 2.36
減少率(%) - 94.000% 99.123% 99.419% 99.559%

減少率(%)は⼩数点第4 位以下切り捨て

エアリフレッシュ加⼯(暗所保管) 0 lx におけるウイルスの不活化効果
0 時間 1 時間 2 時間 4 時間 6 時間
不活化効果(Mv) - 1.36 2.08 2.22 2.25
減少率(%) - 95.619% 99.175% 99.398% 99.438%

減少率(%)は⼩数点第4位以下切り捨て

光触媒について

分解

光触媒は光(紫外線)が当たることで効果を発揮する材料です。
光に反応して発生する(・OH)と(O₂-)の2種類の活性酸素と接触すると、ウイルスや菌を構成する元素から水素(H)を強制的に抜き取り、物質として成り立たなくさせます。しかし、これは光が当たり続けなければ効果が持続しませんでした。

吸着

「アパタイト被覆二酸化チタン」は、太陽光だけでなく、蛍光灯やLED照明でも効果を発揮。室内や夜間でも、「アパタイト被覆二酸化チタン」の2つの成分、アパタイト、二酸化チタン(光触媒)が、ウイルスや菌に24時間働き続けます。
アパタイト(リン酸カルシウム)は、歯(エナメル質の95%)や、骨(65%)を構成する物質で、ウイルスや菌などを吸着することができます。光触媒である二酸化チタンの周囲をマスクメロン状にコーティングすることで吸着力を持続します。この被覆することにより、塗布する住宅部材を傷めない役割も担っています。

「アパタイト被覆二酸化チタン」は、屋内外・昼夜問わず24時間効果を発揮する画期的な光触媒なのです。

2つの成分の働き
アパタイト:細菌や有機物を吸着します。
二酸化チタン:アパタイトに吸着した細菌・有機物を、光のチカラを使って除去します。

体制について

  • 株式会社キャンディル
  • 大和ハウスグループ
  • 奈良県立医科大学
  • MBT